CATEGORY:art
2020年08月20日
日常のコピー ccc展示




作品の解説やポイント、注目してほしいところ
作成方法は、鋳込(いこみ)という作り方で作成しており、泥漿(でいしょう)という磁器の泥の液体を作り、日常のモノを石膏で作成した型に泥漿を注ぎ込みます。泥の膜が石膏の表面に貼りつき、余分な泥を流しだし形成するという作り方です。そして完成したものは1200度で本焼きします。
膜が形になり固まり、形を成すというところと、手で粘土を触れずに作るという作業がとても面白味を感じました。
石膏の型をスムーズに型抜きできるように作る、繊細な泥の膜が壊れないようにつくる等、鋳込みの作業は想像以上に難しい繊細な仕事で、何十回と失敗を繰り返し、作り直しなんとか形になりました。このような手の込んだ作業も割れ物である儚さも合わせ、日常の何気ない消耗品を、また新たな視点で切り取ることが出来るのではないかと思います。
現代の社会で、日常の生活に密接している 普段使ったり捨てられたりする物(消耗品)、それをあえて、無機質な白い陶器で表した時、観る人の視点でそれぞれのイマジネーションや記憶、思い出、感触、色、歴史が より自由に湧くのでは、観る人の人生が投影されるのではないかと思います。
今回、作品と写真で、普段何気なく使用している場を捉え、そしてモノの実物がそこに存在する。未来の博物館のようなイメージもあります。『かつて現代人が使っていたモノたち』というコピーは、戦争へのメッセージでもあり、安保法案や原発、環境問題など現代の社会的な問題の不安感など、現代に生きる私の(私たち)リアルな不安感も表現したい、いや、どうしても出てしまうものだと思います。正しい答えは出なくとも。それが現代に生きる表現者の大事な表れでもあります。
100年前は存在していなかったプラスチックのペットボトルやビニール袋、携帯。100年後は存在しているかはわからない。
現代の社会で存在している、生活に必要なまたは本当に必要かどうかはわからないが、その一瞬を切り取る作業が現代の芸術でもあると思います。
陶器というものは、粘土でできており、大きくくくると土でできています。
私は、陶器が割れる ということがとても魅力だと思っています。
もちろん、とても苦労して制作した陶器ですので、簡単に割られるのはとても悲しいですが、そういうことではなく、朽ちていったり、割れる瞬間というものは、神にささげる尊い瞬間であるように感じてしまうのです。ですから、慎重にかつ美しくその時を待つのは死にもにているのかと思います。
焼いた作品がシャリンを割れる音、そして、粘土でつくられたモノが水とともに土に還る姿がまた美しいと思い映像に収めていただきました。
その変化や瞬間を捉えることは いつか死を迎える私たちへの贈りものでもあります。
遠藤加奈
磁器(実在するもの 消耗品のコピー)
写真(上の作品を生活に取り入れた2次元の作品)
映像(上の磁器の作品が割れる瞬間と戻る瞬間 水に溶ける映像)
の3つの要素で空間を組み立てる。
※写真・映像協力 SHINYA RACHI
2022.7.art space MUSUBI
2022.4月の手創り市でインタビューしていただきました。
冊子をつくりました。
NCC Shizuoka 2015 展覧会企画公募EXHIBITIONS(第5回) 「日常のコピー」 遠藤加奈
個展会場にて 「共鳴」 コンテンポラリーダンス ギャラリーサン
Terra@GALLERY UDONOS
2022.4月の手創り市でインタビューしていただきました。
冊子をつくりました。
NCC Shizuoka 2015 展覧会企画公募EXHIBITIONS(第5回) 「日常のコピー」 遠藤加奈
個展会場にて 「共鳴」 コンテンポラリーダンス ギャラリーサン
Terra@GALLERY UDONOS